機能性ディスペプシア(FD)

機能性ディスペプシア(FD)とは

「胃が重い」「すぐお腹がいっぱいになる」「みぞおちが痛い」。そんなつらい症状が続いているのに、検査では異常が見つからないという経験はありませんか?

機能性ディスペプシア(FD)は、まさにそのような状態に名前がついた病気です。胃の“形”には異常がなくても、胃の“働き”に問題が生じているため、症状が出ていると考えられています。一見、深刻ではない症状に思えますが、

  • 食事が楽しめなくなる
  • 集中力が落ち、仕事に支障をきたす
  • 気分が落ち込みやすくなる
  • 睡眠の質が下がる

といった形で、生活の質(QOL)に大きな影響を与えることが少なくありません。

「気のせい」「胃が弱いだけ」と片付けられることも多い病気ですが、FDは医学的に認められた“治療すべき病気”です。治療と生活改善で、症状はしっかり改善していきます。

機能性ディスペプシアの原因

FDは単純な原因で説明できる病気ではありません。ストレス、生活習慣、胃の動き、知覚の敏感さなど、複数の要因が重なって生じます。

体だけでなく、心(脳)と胃腸は密接につながっているため、不安や緊張が強いと胃腸の動きが低下し、逆に胃の不調が続くと気持ちも不安定になる… という “脳腸相関” が影響しています。

つまりFDは、「心身のバランスの乱れから起こる、胃の機能の不調」と理解すると分かりやすいです。

胃や十二指腸の運動機能異常

通常、胃は食べ物を受け入れるためにゆるやかに膨らむ適応反応をします。この働きが弱いと、少し食べただけでも「すぐにいっぱい」「胃が重い」と感じます。

胃・十二指腸の知覚過敏

ごく小さな刺激でも過敏に反応し、痛みや不快感を強く感じる状態です。「検査は正常=問題がない」ではなく、感じ方が強くなっていると理解すると納得しやすくなります。

脳腸相関の乱れ(ストレスの影響)

ストレスが続くと自律神経が乱れ、胃腸の動きが鈍くなる・痛みを強く感じるなどの影響が出ます。 心と胃は密接に影響し合っています。

胃酸刺激やピロリ菌感染の関与

胃酸が粘膜を刺激したり、ピロリ菌が胃の環境に影響する場合があります。 症状に応じて治療内容を変えていきます。

機能性ディスペプシアの主な症状

FDの症状は、人によって出方が異なります。痛みというより、「重い」「しんどい」「もたれる」といった鈍い不快感が特徴です。

「検査で異常がないのに、つらさは確かにある」
— これがFDを抱える患者さんの共通する悩みです。

症状が日によって良い悪いを繰り返すことも多く、「治ったと思ってもすぐにぶり返す」と感じる方も少なくありません。

症状 説明
食後の胃もたれ感 食後に胃が重く、消化に時間がかかる感じ
早期飽満感 食事の途中でお腹がいっぱいになり、食べ切れない
心窩部痛 みぞおち周辺がしくしく痛む
心窩部灼熱感 熱い・焼けるような不快感

さらに、吐き気・げっぷ・腹部膨満感などが伴うこともあります。 症状は日によって波があり、調子の良い日と悪い日があるのも特徴です。

診断について(胃カメラの役割)

FDの診断には、「他の病気がないことを確認する」というステップが重要です。特に慢性症状がある場合は、胃カメラ(内視鏡)検査が非常に有用です。胃カメラの目的は、
「異常を見つけること」だけでなく、「重大な病気ではないと安心できる材料を得ること」にもあります。

不安を抱えたまま生活するだけで、胃腸はさらに敏感になります。検査で安心できることは、治療効果の一部です。なぜ検査が必要か

  • 他の病気ではないと明確にできる
  • 適切な治療方針が決められる
  • 余計な不安を抱えずに治療に集中できる

「異常が見つからない=気のせい」ではありません。胃の“働きの問題”は、症状として確かに存在します。

機能性ディスペプシアの治療方法

FDの治療は、症状の出方に合わせて“オーダーメイド”で行います。原因が複数あるため、薬も一種類ではなく、症状・体質・生活習慣に応じて調整します。
「どの薬をどれくらい効かせるか」

これは医師が一緒に探していくプロセスです。焦らず、一緒に合う治療を見つけていくことが大切です。

薬物療法

症状のタイプに合わせ、薬を組み合わせて調整します。

薬の種類 役割
消化管運動改善薬 胃の動きを整え、食後の重さを改善
早胃酸分泌抑制薬 胃酸の刺激を減らし、不快感を緩和
漢方薬 胃腸の動き・自律神経の調整に有用
抗不安薬・抗うつ薬 ストレスが症状に強く影響している場合に併用

「効く薬を見つける」ことが治療の第一段階です。

生活習慣の改善(セルフケア)

薬だけでは根本改善は難しく、生活リズムの見直しが非常に効果的です。

食事
  • よく噛んでゆっくり食べる
  • 食べ過ぎ・夜遅い食事を避ける
  • 脂っこいもの・カフェイン・お酒は控えめに
日常生活
  • 睡眠不足を避ける
  • ストレスをためすぎない(休息を意識的にとる)
  • ウォーキングなど 軽い運動
  • 喫煙している方は禁煙を推奨

無理をしなくていい。できる範囲で続けることが改善の近道です。

機能性ディスペプシア(FD)のよくある質問

機能性ディスペプシアはどんな病気ですか?

機能性ディスペプシア(FD)は、胃カメラなどの検査で異常が見つからないのに、胃もたれやみぞおちの痛みなどが続く病気です。 胃の「形」ではなく「働き」の不調が原因と考えられています。

ストレスで胃の不調が起こることはありますか?

あります。 FDは脳と胃腸が密接に関係する「脳腸相関」の乱れが関係しており、ストレスや緊張が胃の動きや感受性を乱す原因になります。ストレス緩和は治療の一部です。

どんな症状があれば機能性ディスペプシアの可能性がありますか?

代表的な症状は以下の4つです。

  • 食後の胃もたれ感
  • 少しの食事で満腹になる(早期飽満感)
  • みぞおちの痛み
  • みぞおちの焼けるような熱感

これらが3か月以上続く場合は、FDの可能性があります。

機能性ディスペプシアは治りますか?

多くの方で治療により症状は改善します。ただしストレスや生活習慣が関係するため、薬だけでなく生活リズムの見直しや食事改善も重要です。再発しやすい病気でもあるため、長期的なケアが大切です。

胃カメラを受けた方がいいですか?

はい。FDは「他の病気がないことを確認して診断する」病気です。特に40歳以上の方、体重減少・黒い便・強い痛みがある場合などは、一度は胃カメラで確認しておくと安心です。

どんな薬で治療しますか?

症状に応じて、以下のような薬を組み合わせて使います。

  • 胃の動きを整える薬(消化管運動改善薬)
  • 胃酸を抑える薬(PPIやH₂ブロッカー)
  • 漢方薬
  • ストレスが強い場合は抗不安薬・抗うつ薬を併用することもあります。

食事で気をつけることはありますか?

はい。 FDでは胃に負担をかけない食事が大切です。

  • よく噛んでゆっくり食べる
  • 脂っこい・冷たい・刺激の強い食べ物を控える
  • 夜遅い食事は避ける
  • 少量を回数分けして食べる

これだけでも症状が軽くなる方は多いです。

ピロリ菌と関係がありますか?

一部の患者さんではピロリ菌感染が関係している可能性があります。ピロリ菌除菌によって症状が軽くなるケースも報告されています。検査や除菌の要否は、医師が症状と背景を踏まえて判断します。

機能性ディスペプシアと逆流性食道炎の違いは?

どちらも「胃の不快感」を伴いますが、原因が異なります。

  • 逆流性食道炎:胃酸が食道に逆流して炎症を起こす病気
  • 機能性ディスペプシア:胃の運動や知覚の異常による機能的な病気

両方を併発している方もいます。

生活改善だけで良くなることはありますか?

はい。軽症であれば、睡眠・食事・ストレス管理の改善だけで回復する例もあります。ただし長引く場合は、医師による薬物治療と併用することで効果が高まります。

医師からのメッセージ

つらい症状は我慢しなくて大丈夫です

機能性ディスペプシアは、検査で異常がなくても、確かに存在する「胃の機能の病気」です。適切な治療と生活調整で、多くの方が改善します。

食事がつらい、胃の調子が戻らない、みぞおちの違和感が続く。そんなときは、ひとりで抱え込まずご相談ください。

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